アトモスフィアの双盃

アトモスフィア(atmosphere)とは空気のことじゃなくて雰囲気のこと

野宿とネカフェの間

電車で隣町に用事があるとする。その用事は2日間を要するものだ。一旦自宅に帰るのは交通費が倍になるのでもったいない。考えないとする。

 

 

別の費用がかかってしまうが、その隣町で宿泊するという方法もある。この宿泊代はピンキリで、出張ならまだしも個人的な用事でビジネスホテルを使うのはお金に余裕がありすぎる。ネカフェは正確には宿泊ではないが、ナイトパックだのを上手に使えば1000円以下でやりくりできる。漫画読み放題&ドリンク飲み放題のオプションもつく。

 

キリの極限である0円にすることを念頭にして考えよう。誰でも思いつくが実行に移さないものの代表である野宿。検索してみたら法律的にはグレーだとか、迷惑にならないようにだとか、いろいろ書いてあった。実行に移すかどうかは人によりけり。誰でも思いつく点が芸がないと思う。傲慢だが、誰でも思いつかないことに趣を感じる。誰でも思いつかないからこそ価値がある。

0円〜100円なら24時間営業のお店で、コーヒー1杯で粘るなんてのもよくある。粘らなくてもカラオケ屋さんや飲み屋さんといったところで100円〜900円があれば時間を消費できるのではないか。まぁ誰でも思いつくからもちろん却下である。

 

野宿<24時間営業<ネカフェ<ビジホ、と整理される。野宿とネカフェの間は「24時間営業のお店で粘ること」と結論が出てしまう。しかし、風流がないためここで終わらない。野宿と24時間営業の間はないか探してみよう。

 

友達の家に泊まる、等はよくWeb上で「○○する方法10選」というSEOを狙ったあからさまな記事に入ってありそうな案。そんな都合のよい友達なんていないし、わざわざ検索して10選なんて記事を見にくる彷徨える人が「あ!そっか、友達の家に行けばいいんだ」となるわけ無いだろう。バカ記事。

 

気をつけなければならないのは、人の目でもお金でもない。時間という夏の魔物。0時から5時の間をMidnightと呼ぶが、ここを睡眠以外で乗り越えるのはなかなか難しい。睡眠には外か中かの2択しかない。そんでもって外で寝るのは結構な常識外だと思う。普通の人はできない。海外だと身ぐるみ剥がされるならまだしも殺されたり拷問すらありうる。日本でも女性や子ども、老人は辞めたほうがいいだろう。

 

満天の星空の下、草原の上で目を瞑るのはどうか。アニメのOPとかドラマの最終話である演出。希望や憧憬のような、見るものを感動させるもの。告白は夜にしろ、と言われる所以か。現実世界でやるとどうなるのか。虫に刺される?

 

車中泊。高速バス・寝台列車に乗り目的地に到着するまで眠る。家の鍵を失くすと、以上のような想像を巡らす機会が手に入る。強制イベント突入。時間を消費する方法。スマホは充電をなるべく温存させたいので使わない。本を読む、暗いと読めない。蛍雪の功。スマホKindle。電池がなくなる。

家を2つ持つ。