アトモスフィアの双盃

アトモスフィア(atmosphere)とは空気のことじゃなくて雰囲気のこと

ATMから下ろさなくてもやってくるようになる

キャッシュレスを極めすぎるとキャッシュレス過激派になるのではなく、お金・キャッシュレス決済すら使わなくなり、逆に向こうから現金がやってくるという。無我の境地。嵐森炎峰。

 

 

いまの財布の中に610円がある。500円玉、100円玉、10円玉それぞれ1枚ずつ。この610円はATMから1000円を下ろし390円の品物を買ったお釣りで入手したものではない。390円くらいならauPAYで払うもん。自分の意志とは無関係に向こう側からやってきたものだった。

 

この610円は重量があるので一刻も早く銀行へ預けたい。盗まれたり紛失する危険性も否めない。ただ硬貨対応のATMは時間が決まっている。ATMへ赴くのも面倒くさい。硬貨はそのまま残留してしまう。

 

残留のメリットもあるらしく、緊急時に現金は安心するというもの。個人的にはメリットと思えない。準キャッシュレス派のもしも対策として数1000円〜数1万円札を財布にいれておく、というものがある。いれておくと結局使ってしまうのが性だ。キャッシュレス非対応の飲食店に行って散財するのがオチ。盗まれるリスクだけではなく自分のお金なので失くなったらショックだ。610円なら「まぁいいか」となるし、そもそも向こうからやってきたものなので諦めがつくかもしれない。諦められないなら早く銀行に預けなかった自分を責めよう。

 

現金が向こうからやってくるシチュエーションは結構ある。具体的にはモスバーガーのモバイルオーダーだ。

ここで凡人は言う。「たった10円かよ」と。そこがダメなのである。ため息。

 

ATMで1000円札を下ろす行為の1%のパワーが、この10円玉には秘められているのである。